「鏡の中の夜長」参加Log

鏡の中の夜長(http://and.noor.jp/e/yonaga/20/)に参加させて頂きました

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時計だけは貴方の虜

夜の長さは映せない

分裂する私の淋しさ

歪むから割れないで

現世に嫌われる液体


反響・侮蔑・虚像

お前に背骨はまだ早い

真実以外は見せないで下さい


ひとりぼっち同棲

賃貸には鼓膜に触れる幽霊がいない

全部見せてあげるから指紋をつけないで


封印の白布/真夜中の異次元/朝の友

彩りのための無垢な反射

私を磨けばお前が光る

後ろ髪映してグッバイ


かじかむ指先で秒針をとらえる

欠点が踏み台になるってこと

手放しません春までは

雪と共に舞う星々

下り坂と同じ速度の流星


私を愛するための異境

水の破片に触られたくない


くたびれた星もひとふきで輝く

リトライ・リリース・出来上がり

きっと私あなたと踊り狂うのも好き


望みのままに泳ぐ秋望

月色に飾り立てる霜月

色彩達に微笑む三原色


虹のたもとをかたどる様に

なくしてないた鏡面の切り花

骸骨とうたうブランチはいかが

わたがしだから火よりもあついわ


初冬の温情じゃ星に届かないでしょ

現世の秋は欲が潤う


さかさまの硝子片だけが贄さ

越冬に消える血流と永久

期待したってまほろは八つ裂き


ノアザミの余りもの

瑠璃にはなれない貝になる

つみほろぼしに星のみつ


戯言を吐く金星の痣

ラミアの国は琥珀の星空

目で見て声で刺し脳を産め


お砂糖ひとつを消した顔

譫言を選ぶ君が王

砂上の月には見えないからさ

片足で進む春を見たか


砂上の愚かさ

加える歴史は風が仄めく

羅刹とともに生きたから

つぎは天井を這う星どもをうつ

キャプチャした神の前書き


いただきもののたたずまい

置いてきた豊穣の渦潮

リボンで宵を結ぶふたり


離宮から届く賢者の香り

寿ぎに黄金比を手折るということ


香典に為ったきみの残香


まごうことなき君がルチア

どうして静寂に身を隠すのさ

理解に苦しむ私はダミー


翼を選んだまほらの摩擦

傷と霞をふりまくはばたき

生涯きみの空を梳く見通し

炉端の地獄じゃ物足りないだろ


語りつくせぬ熱どもの話

雅号としての凶器たち

みなそこで笑いあってさざめいた

呪う時には必ず慈しむこと

何度ないてもまた君をのぞむ

かたちのいらないこれが秋

野原に咲いたら朝

四次元鍋と芋煮会with夢見心地

なかなか夜が明けづらい

伽藍洞でも寝室はゆるすよ


住めない場所に置かないで

九時から意味の無くなる身体

輪になって囲もう

苦味のあるプリズム

サイレンの音が映しとれない

暮らしの中の魔法


いずれは冷めた春を抱くでしょう

ティンカー・ベルを飾るきっさき

もえている冬をひとつずつ剥がす

がらくたを生むためのこどもたち

ライトをあてても君は一人のまま

須らく恋の背を追ったものたちよ


シャーレ上の縁

水平線を泳ぐ月

流刑地で泣くな

光陰呪いの如し


茨の縁取り、リボンの鋏

喉を潤す星屑の錠剤

今日から花を主食としなければ

俗に言う鏡を呑むというやつです

憂いの夜は月影を唇に乗せてね


どうか指先のヴェールをください


ねむれずに穿つ幾千のオーロラ

んじゃあガーナを迎えに行こう

宵口のリモンチェッロを肴にドッペルゲンガーの君を頂くよ


今だけきみを木星に隠す

人事を尽くして宵闇を裂く

飲んでも呑んでも鼓動が詰まる

花を溶いても雨季は売れない


くもりなくここは星の故郷

狭い乙女座の土地

いにしえに潜む太陽の化石

野ばらが枯れたら朝

春を選んだきみの失策


靴下の色を揃えられない

寝ても覚めてもラブレター

間違いだらけの天秤宮

友達を呼んで二人きりになる

空を手元に呼べないきみへ

硬質の哀の融点を捜す


いいから月を焼いてきて

手土産としての恒星をふたつ

たった今マントルを切り出したところ

別に愛が食べられない訳じゃない

苦いだけの天の川が涸れた

きみの指先が星座線を割り開く

手掴みでかぶりつく生命の坩堝


射手座の方向の初夏

手鏡に映る呪術師の恋文

未だ星の尾は凍り付く

わだつみにはいずれ秋が生る

なぜ満月を収穫してはならないの

一等星と駆け落ちする朝焼け

では真実を空に撒いてください


かじかむ指先で秒針をとらえる

欠点が踏み台になるってこと

手放しません春までは

雪と共に舞う星々

下り坂と同じ速度の流星


バナナボートで銀河を渡ろう

んにゃーごで誤魔化す心音アレグロ

物騒な四季を打ちのめすための不運

からっぽの朝焼けに似合うミラーボールを

お題屋は夜を操れる