#炭化 TwitterLog

短歌まとめ ~2023.2.16


あの日見た夢を掴むと空を見る 道にころがる夢に気付かず


苦しみの声を聞かずに罪を抱く お前は何を悔いたつもりだ


マリア様 何処へおいでか置いてくか この世に聖母あふるるままで


神ごとき 彼に触れるな呼ばわるな 七夜に迎えぬ己でも呪え


世迷い言 きみとふたりで語らおう ワルツのテンポに丁度いいだろ


やめてくれ きみの面影探すのは 僕だけでいい僕だけがいい


大人はね 臆病なのよおばかさん だからお利口さんじゃ駄目なの


恋心 小火のようだと例うべき 見て見ぬふりをする間に大火事


恋敵 お前はいつもそうだった 下せばすぐに消えてそのまま


愛の名を騙りさりとて耐え切れず 涙の果てにままなりもせず 


「また来てねなんて呪いをかけないで」昼の紫陽花 小雨と涙


「恋しよう」やればできると笑っても 貴方への愛 どうにもできず


しどけなくきみにしたたる色雫 名付け親には見えぬ色彩


闇よりも 街角の君を恐れてる 見えど追えとも捉まりやしない


「すみません 悔いた記憶を抱きました? スカルの底に住み着いたでしょ」


夜を往く大蛇の腹の覗き窓 ひかりの流れ ひとの営み


初恋を荒く砕いて岩塩とバジルで和えた孤独がこちら


星空をきみと一緒に食べたくて 味をたしかめ 今もそのまま


お米にも神様ななにんいるわけで、僕の世界にゃ億はいるでしょ


僕という神様が創る世界では、あなたの名前は存在できない


「大人達みんな凄くて憧れで」そう思えた日々 海に還りたい


理想郷 地獄の別名とも知らず 憧れ夢見て永住誓い


さようなら じょうずに大人になれたぼく 幼いぼくのしたいは一緒?


「恋なんて気付かぬうちが花なのに実を楽しむとは貴方やるわね」


いつかまた私が死にたくなったなら呼吸の仕方をキスで教えて


さよならと同じ温度の色彩じゃ星の光を再現できない


わたしたちつよいきもちで生き○○○○つよいきもちで死ぬこと○できる


運命は煮付けにすると食べれるが業が多くて食えたもんじゃない


私にも会いたいひとがおりますが未だ居ないので私が成ります


パレットにひかる彩りすくう度あなたの色がまじわるずるさ


物憂う呼気を見咎む陽炎へ我が身の熱り悟られし恥


「いい加減夢を握って振りかぶり私を殴るのやめて助けて」


うつくしい食事は瞳が消費して口の中へとすてられ続ける


理想値を追い求めれば誰だって地獄に落ちる神でも落ちる


神様はだあれもいない天国でさよならばかり練習してる


いい加減神様相手に誓わずに私の口を食べてみなさい


いつだって神様の影を追いかけて君に行き着く18の冬


結果しか作れないのが神様です 途中式では加点しません


いつか見た星の光が色あせて電球になるそれがさよなら


舌先に乗せた程度の幸福じゃ蒼い運命に太刀打ちできない


どうしても鏡に心は映らない 涙を削いでも情をくべても


共に観た輝く愛を燃料に 去り行くわたし過去を目指して


寂しさをカクテルにして飲み干して 口に合わずに目から吐き出す


花を食み鳥を射殺す身としては天国なんてただの監獄


さみしいと言えるうちこそ花だろう いずれ孤独が苗床になる


お酒ならカクテルじゃなきゃ飲みません 自嘲を隠す甘みがいるの


さみしさは温度を奪う色なので 二人でいます夜があけるまで


一切の希望を捨てて待つ夜のなんと心の穏やかなこと


この胸を甘く撫でるに留まらず縊り殺すの恋の記録は


会えないと分かっていても待つことを幸福と呼ぶ呼んでしまえる


野ざらしの心を恋と呼ぶように雨のかけらを永遠と呼ぶ


一人では星も見えない掴めない灯りも消せない目だけ隠せる


朝露は霞ではない月もまた薔薇のつぼみになることはない


八月の涙が落ちる衝撃で月は削れるえくぼがふえる


ひとりではいられぬ事を生と呼び 受け入れることを死と呼ぶ最期


罪の味

寂しさの檻

星の声

諦めの音

恋の葬式


何もかも怖くなるのが老いですか 過去しか抱けなくなることですか


ただしさを握った右手を振り上げる あれらは孤独じゃ声も出せない


シュー皮に包んですてた純情の湿度を忘れた梅雨の夕暮れ


煮立たせたシチューの鍋に張り付いた君の気立てをこそいで喪う


まほろばの星々背負いとくいげに雲間ゆき交うおばけのおすし


またひとつ肋骨の罅が消える度大人へ進むつまらなくなる


どうしても見えぬ星座はありましょう 届かぬ指はしまうだけです


姿見の果てを見捨てて手を振った 喉元過ぎればみんな前世だ

野薊と泥濘ひとつ嗜んだ 今年の秋も前世になって


蜂蜜の月はまだまだ未成熟 淡く朧が融けたら食べ頃


最低なわたしを作った神さまはきっと最悪だから生きれる


どんなにか愛していてもこのドアが開かない日だけ数える恋人


心臓の傷の数だけ夢があり星を抱いてたつもりのこども


背骨とはしるべではない夢もまた路線ではない道は見えない


幸せな過去だけ抱いて息をしてひとりで眠るそれが正しい


気怠げな太陽の腹に潜り込む小さなきみは甘える子猫


ひとかどの恋の形を失えず 愛を振りまけ一人で腐れ