Log 2014.12~2023.1

Log:

縁とレースを交互に編んで

耳がとけちゃう正しいおはなし

星売りのこども

やらしいくらやみ

瑠璃とアネモネ 

佳作の心臓

目目連と目玉焼き

英雄が愛した家畜

そこのけちびすけ兎が通る

ルージュに弱いミドルアタッカー


おたがいだけが神様です

無音のダンスホール

みだれぬ季節

お化粧臭い明日はもうたくさん 

どしゃくずれの王国

生糸の陰る六月の

どうせ瓦解の時間が来るだけ

わたしのしらないどこかを詠って

美味しい無垢を引きずり出すまで

ないものねだりをしらんぷり


首を切らねば冬が来ぬ

空高く彗星、水深く流星

ゆめまぼろしなら煙草の生贄

言葉をはやめに消費なさい

唇から染みてゆくのね

わるい話じゃかたれない

人魚に魔法をかけられて





君を知らない僕の幸せ

「いつだって引き金はあなたの唇だった」

水を産む燕なら私の頭

星見が悪いシネマ内

樹氷のまちびと

硝子の夢に成ったひと

秋の穂と怪獣のプレート

認知されない肢体ひとつ

もふもふと唸り

遣らずの雨には成れなかった


望む通りに生きてやる

人を食った話はハッピーエンドにならない

恋する二人が魔法使い

いつか奴隷の王子さまが

白くないから運命さ

人とは21g

許せよみだら

おめめしか君を語らない

うんうんそしたら指を絡めなきゃ

東を目指そう銀河欲しい


死者の谷から迎えに来て

溶かしちゃいたい秘密たち

寝物語にしては悪趣味

貴方の夜を口移して

美しい国での一日

死を待つ二人と幸せと

いつかだあれもいない世界へ

女の秘密は蜜の味

湯煙が隔てます

私はあなたのための金糸雀


思い出で息をするただひとり

恋はわるもの

飾れないことば

にじまない花弁

嘘発券機

昼が短い日の魔法

テカポの星が咲かせます

笑顔のぶんだけお手紙書きます

夢で逢えない恋人たち

こどものふたり


君の前ではエリート辞めます

冬にまっすぐ前を向く

小指に糸は結べません!

武器と視線を向けないで

個人戦ならお断り

男はみんな狼ですから

春告げ鳥は君の胸

花を迎えにいきました

つま先から結ぶよ

二人に砂糖がいらなくなったら


祝福と春

魔法の杖を振りまして

原因の無い恋

嘘吐きの身体

衣食足りて楽園を知らず

伝染する宇宙

その場かぎりの永遠

神々の背比べ

平等から死ぬ

酒盗の梟


空に座るな

星座持参で頂く白夜

語らいが雲を呼ぶ

そこに死体はない

三時間を三回

ふたつめの右目

かみさまにも首がある

幸せには足がない

汗っかき流星群


天国が落ちそう 

酔い止めの冥王星

醜い求婚

あなたのわたしになれないの

花盗人の蜂蜜漬け

恋の疑似餌

まるで永遠

檻の中の私

そのときはひといき

なくして泣いた凝固点


男は女に嘘を言わせない

月だけが綺麗

優しさは罪

運命が足りない

ゆっくりじっくりじゅんぐり

春が散っても桜の季節

祈るのがとくい

まだ会える

匂いは足りないほうがいい

カンカン帽と梅雨


愛の量り売り

神様の体温計

天界には退路がない

抱き締めたくなる足手まとい

私だけの地獄へ

夢で黙らせて

子飼いの死神

有名脱税

名前だけが嘘足りえない

ない罪を償いに

「お前以外にキスなどさせるな」

私の悪い大人

わがままが言いたいよ

口を飼う

道化師の一生

わたしは夢をみないふり

冥土の終着点

幸せは隠せない

いずれは夢のあとさきへ

傘のない徒野

理由にされない日になります

くちびるでとかして

わたしが愛した世迷言

浅瀬の青

まどいと迷宮

夢専用洗濯機

ひとの地球を侵略するには

マグダラの呼び声

私を悪魔と呼んでください

恋の墓場でおちあいましょう

心にも四季があるように

神様と面接官

虚像はとても美しい

いにしえの国

矢継ぎ早にkiss me

全くお前は罪なやつ

おまえが人であったころに

さようなら発明家

神様がいない理由

そして楽園が残った

真夏のゴールドラッシュ

くちからレタスを生やす




夏の死骸

秋の抜け殻


いつも王子さまが

おまえを見ている


薔薇に吸わせた灰の文字

そこでは時計が止まらない

常闇を寝かしつける少女

そうさ僕らは言葉が嫌いさ

酷い夢から夜を盗る

人肌程度でさけるいのちなど

脈動が脳を揺り動かすので

ふたつたたけば花浅葱

花を愛した溶岩は今

二酸化炭素とかくれんぼの灰

聖者のゾンビにたりないひとつ

袋詰めエデン

彼岸に咲く薔薇朽ちる百合

オーダーメイド愛憎劇

桃が香っても珈琲ですので

分かつ袂にブローディア

したためられないものが愛

星を吸い込み肺から沈む

ないものねだりをしらんぷり

摘み取らないから腐り堕ちるのに

羊と猿と鳥が去ったら

きみのこころは虹と花でできている

貴方の海には菫と紫陽花

指から始めてその眸まで

羽を溶かさない太陽神

セイレーンが堕ちた

星は降るけど夜は落ちない

進め!悩め!未成年!!

わたしの心臓を撫でる指先

衣食足りて楽園を知らず

鏡は睡魔を写さない

がちゃがちゃしたたるマーチング

メイドインフェアリー

事実がいちばん可憐なところ

語らうのは装飾品だけ

みちのいりぐちでおじぎ

背筋を反らしてごきげんよう

雨になれぬと泣くステラ

歯車専門骨董店


魚がきみを連れてくる

過剰摂取に夢を見すぎた

珠のようとはその砦

精霊はお飾りなの

いいえ、愛は扉を叩きません

いつの日かなんて忘れてやらない

春のくるぶしを見つけだす

永遠が赤い舌先に乗ったら

君の毒には野生も勝てない

掌に宵を転がすひと

おちてくるからおとさないでね

舌で語るな

指先に不変の灯

真理の詩人

天の国では優しく死ねる

いつか牙剥く穢れた少年

夢も故郷も縋れぬように

一人でできるしできないし

くちびるは失くしたから諦めてよ

握れる指があればいい

綺麗なままじゃ息も出来ない

夢と灯篭流し

十進法でI Love You

わたしをめぐる金星

とろけもしない黄金なんて

星屑の軌跡では物足りない

首を飾る夢の錠前

星々と踊れた少年たち

住み慣れたお前の隣

きみの全てをそらんじてやれる

深淵に視姦されたい

逃避行専用バス

星空の味を伝えたい

キスを主食に生きる

思い出は行き止まり

くちびるでしか優しくできない

「パパな、人間辞めて神様で食べていこうと思うんだ」

春に悩めば

星の近くじゃ上手に死ねない

汚れてなくちゃ綺麗にみえない

涙の数だけ強くなれても

星から見えない位置の夢

薔薇のチークは解けやすい

かわいい子には息をさせよ

良い子にしてるとわるいこになれる

死地を巡るな

神様をたぶらかすための靴

さみしい夜に唱える魔法

わたしの融点だった人

どうして兎になったのか

夢の中で死にたい

生まれ変わったら死にたい

かつて手元に在った星

一人で人生を滑る時の音

永久を飾る色彩であること

花園は夢を見るところ

別れの代わりに星を数える

春の悪魔も夢を見る

心音は色がない

もう私に朝は来ない

楽園に骨を埋めるひと

こころを選ぶと溺れてしまう

もう指先が語らない

流星を生き餌に

涙のかたちが決まらない





猫を抱えて読む話

ことばで建国まほうのせかい

灼熱を従えるあなた 

そうして肺がしみていく 

清く麗しくありすぎたのです 

クッキーとステンドグラスの目印

大人たちには秘密のせかい

黒くしちゃってもゆるしてね

コーヒーひとくちニヒルににやり

マスターしらんぷりをお願い

焼き菓子以外はいけない子

青い大人に入場禁止

鎖骨の指輪が半券のかわり 

泣き虫楽器と道化師フィドラー 

音色ぐるりと混ぜたなら、輝く旋律が透明になるよ

大人も子供も目指すは豪邸!

俺が俺であること、一流の証明

熱い視線を踏み台に

金貨一枚でうつろう口紅

古い書物も閉口するからキスでひとつになりましょう


真冬の御池で恋しユニコーン 

唯一の光は貴方の鼻先に

朝餉にいらした倦怠に

吉凶のお告げはいつも地底から

見損なうから膿んだのさ

落ちない羽と共に

切れもほどけもしない街


白がなじんだ指先ときめき

そして馨だけがおぼれた

閉じた未来をふきかけて

招待状は月に預けてあるの

きゅっと縮んで流星雨

さよならできず溢れるまたたき

罅割れた朝焼け

その輝きが摩耗したなら

私を呼ぶ声よ、セピアを愛さないで

銀世界を割って下さい

頭蓋を預ける柱の響き

無理なら萌芽を食みなさい


Set:

培養聖女

 薔薇の海には水晶が咲く

 イルカに御呼ばれティータイム

 拠所無い悲しみ痛み

 うかない海月

 雪花の調べに泣く椿

 いないよいないだからおやすみ

 ジュラルミンなら鯨の歯にある

 夜が来たからばいばいクリオネ


たこやき

 たましいのあつさ

 込み入った話はこれで終わりさ

 やましい心で齧り付けよ

 興味があるなら刺されてやる


「蓬莱の球の枝」

 真実着色剤

 錬金術師育成キット

 聖火炎瓶

 惑星発生現象観察鏡


恋患い

 コロラドのピューレ

 いじらしいのねクラムチャウダー

 ワインにお似合いチョコタルト

 ずらり嗤えよクラッカー

 ライムと海とマトリョシカ

 イルミネーションとシャーベット


やらしいくらやみ

 優しさは肺からうまれる

 ライチが熟れたら

 叱らないしつけ

 曰くふたりは蜉蝣で

 くるみ割りさんの紅

 雷光のよろこび

 やっと光を飲み下せたから

 みてもみなくてもおわりはくるから


あなたの目覚めが伝説の始まり

 世界に名立たる勇者のたまご

 人工物なら虐殺推奨

 情けないのが死亡理由

 お姫様には婚約者がいる

 悪魔の愛は人には呪い

 魔王城にもバイトがいます

 背中合わせで四角形

 いつでも勇者は一行なので

 むかしむかしのおはなしにしよう


神の御腕で壊れ剥がれて肉塊の山で抱き合う日まで

 冥いのは血液のとなり

 府兵制は神の名を知らず

 でいでい進め歩け死ね

 三猿の寵姫

 度外視とは悲笳の夢

 初心忘れずにいられれば

 メーデー、敗北を舌先に乗せないで

 まあまあなお味でしたわ

 しょうがないだろう、だからいいんだ

 ティアラを騙って笑ったあの春は

(縦読み)


 樹海が抱いた琴線の

 夢にしてやりましょうぞ

 つちくれから勝利

 神なら肌で蠢いているさ

 いつか孤独に死ぬために

(縦読み)


多分それで初戦敗退

 多彩多識で貧乏者

 分岐点なら躙っただろう

 そうね知らないことばかりよね

 レッドカードは燦然と

 デュースが嫌いなトトカルチョ

 初めてだって気付けない

 戦史を軽んじ戦士を尊ぶ

 敗軍の将は兵を語らず

 退くこと即ち弱者であらざる

(縦読み)


あけおめ!

 愛と平和と夢を知る大人

 毛並み足並み揃わずいこう

 おかえりただいまみんなに届けて

 メシアと笑う世界よおはよう


命と同じ輝きをもつもの

 人語を操る奴等の誇り

 弟殿に奪われた涙

 天を憎んで人を堕とす

 使い捨ての愛を知っている

 死ねばおわりさ、かがやきもぬくもりも


それは全然意味のないアリス

 ソレイユは喉元へ侵入

 レ点に出来ないあれやこれ

 はんざいの苗床

 全能なればこその示唆

 然諾を軽んずる

 意中の鷹

 味に夢無し

 のーたりんの舌は蛇

 なりもの扱い

 いかほど憂えば

 アメジストの懸濁

 リーシャと曲がり角

 スペシャリテ


人心無く熟れて堕つ

 人目のない牙城

 心は身体の一部だろう

 無いからなんだというのかね

 くいあらせ

 熟れた朝こそ門出の時よ

 れゑすの乙女は裂くに限ります

 ていと噛み合う仲じゃとて

 堕とされましたか堕ちたんでしょう

 つみとはおまえのはらのこと

(縦読み)


365題挫折分

月刊少女夢遊病

つるぎと魔性

メカニカル・マギカ

んにゃあ水底は殺せないさぁ

かろうじて華麗

古城売りの兵士

上塗りするなら銀燭を


氷炭から春

ループ・タイの悲鳴

忌むべき肢体に添う雨降花

中身の無い秋

伽羅なら賭博で肩慣らし

遮二無二ならばうたが好き

鬼島に隠した悪食ちゃん


透明無垢な切り札を授けて

二人組には作れない

君が隠れた透明な土地

マニキュア気取りのマーマイト

こんなに私がすきなもの

食えないのは惑星

温床はいつも淫ら


二人組には作れない

数値で表す彗星親子

火星の水面は齧っても良い

八日目の冬と彼女

セドナ、その先を消せ。

まとわりつかせて冷気と砂塵

焼かれるよりかは潰れたい


実が落ちる世界

夜が暗い世界

人が眠る世界

愛が揺らがない世界

朝が早い世界

恋が終わる世界

色が褪せる世界


信仰と大聖堂の国

耕作の国

城のない国

冬を望む国

昼を貴ぶ国

大鷲と梟が眺める国

人が愛した国


灯篭と銀燭の国

黄泉に通ずる国

艶陽の国

惑星に近い国

泡沫の国

黒曜が潜めく国

月と生きる国


鳥を呼ぶ国

温暖な国

未来が見えない国

せせらぎの国

挨拶をする国

動物たちと月の国

星座のない国


言葉の足らない国

おとぎばなしの国

薔薇に祈る国

道の無い国

一人だけの国

病を知らぬ国

心臓が赤い国

路傍の水

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